【ラペオニアインタビュー】人気ドールディーラーSkyloopsが語る、ドールの魅力をさらに高めるオリジナル衣装制作の秘訣とは?

インタビュー

読者の皆さま、こんにちは。 
旅するドールオーナーの翠です。
普段はラペオニア紙上で主にドール製品のレビューなどをさせていただいております。
今回は、ドール業界のお洋服のお話
私のお友達でもあるお洋服ディーラーのSkyloopsのゆうさんに来てもらいました! 


■Profile

ブランド名 :Skyloops
Twitter: @skyloops_doll
E-Mail :skyloops10@gmail.com
設立年:2013 年

(※以下、ゆうさんからお話を伺いました
登場するお写真もゆうさんご本人です)


(翠/以下同)ようこそ、ラペオニアへ。
初めてSkyloopsさんを知る方もいると思うので簡単な自己紹介をお願いします

「こんにちは! Skyloops(スカイループス)の”ゆう”と申します。主に国内ドールメーカーの40センチサイズ・60センチサイズのお洋服を制作しています」

─── よろしくお願いします。あまりかしこまらずにいつもの感じで話をしましょう(笑)
私も気になってたのだけど「Skyloops」ってどうしてその名前なの?

「もともとは人用のニットデザイナーをしていたのね
アパレル業界では編目のことをループって呼ぶのだけれど、
その編目が空に浮かんでいるイメージと重ねて
空をキャンパスにしてループ(編目)が浮かんでいる
という意味あいでスカイ(空)ループス(編目)にしたの」

─── なるほど。空をキャンパスにいろいろなお洋服をデザインするって感じで可愛いね!
よくドール業界ではドールディーラーって言葉が使われるよね
ドールディーラーって具体的にどのような人たちなのかな

「ドール業界では翠さんのようにドールで写真を撮影したりする人のことを
ドールオーナーと呼ぶことが多いけどドールディーラーというと
基本的にはドール用のお洋服を制作する同人作家(ドール業界のサードパーティー)って意味あいで  呼ぶことが多いかな 
そのなかでも私たちは主にアウトフィット(お洋服・小物)の制作・販売を行っています」

─── Skyloopsさんは主にお洋服を制作しているけどどんな気持ちで作っているかを教えてほしいな

「まず一番大事にしているのは
“スカイループスの洋服をきたオーナーさんのドールさんがさらに可愛くなるように”というところ
やっぱり主役は皆様のドールさんなので」

───主役はドールさんだよね。
スカイループスさんのお洋服はどれも可愛いけど、どんな工程を経てお洋服になるのかな

「基本的には五つの工程からなるの
まずは①デザインをきめます
そこから②お洋服の型紙を作る(パターンの制作)
型紙っていうのは例えばプラモデルでいうと一つ一つのパーツみたいなものかな
型紙をつくる場合、通常のお洋服に関しては1着につき
6パターンくらいで構成されていることが多いのだけど
(例:袖、襟、前立て、裏地、、、などお洋服のパーツのこと)がうちの場合は
その倍のパターンで1着のお洋服を制作することが多くて
Skyloopsではそこから、”圧倒的な立体感”を目指しています
写真を撮った時の映え感や10年たってもしっかり洋服の形を維持できるように
と願いを込めているんだよね」

───圧倒的な立体感はドールオーナーとしても写真撮影の時にとっても大事なポイントです! 

「次に③トワル(サンプル制作)サンプルを作ってひとまず形にするって感じです。
豆知識としてトワルの際は一番安価な生地でサンプルを作るのね。
制作する洋服によってはファーストサンプルからサードサンプルまで制作する場合もあるんだよ。
袖のバランスとか着丈のフィーリングなどをトワルの際に確認する感じかな。
実際に着せてみないと分からない部分もここで確認できます。
そこで実際に洋服の確認ができたらいよいよ④生地選び、になります」

───生地ってすごく大事だよね、肌触りとか質感とか  

「そこでうちでは、洋服のデザイナーだったことを活かして
アパレル向けの生地メーカーさんから直接、流行の最前線の生地を選んで制作してるんだ
ここまで来たら⑤完成へ向けて本制作をして  
最後に⑥写真撮影(宣材写真)をして皆様へお披露目って感じかな」

───ひとつのお洋服が私たちの手元にくるまでにいろいろな工程があるんだね
ところで、もう10年くらいディーラーさんをやっているって聞いたけどきっかけって何だったの? 

「きっかけは今から10年前(2013年ころ)なの
洋服のデザイナーを辞めてから3つの仕事をしていたころの話。
①人向けの帽子屋さん②歌手さんの衣装制作③ドール用洋服の制作 
これらです。
その中で東京中野にある有名なスタジオのオーナーと知り合いで
最近、私の趣味でもあったドール用の撮影会がすごく多いというお話を聞いて
ドール服を作ってみないかという声をもらって
じゃあやってみようって思って制作してドールイベントに出店したことがきっかけ」

───そういえばスカイループスさんは自社イベントも開催しているよね

「すかパ(スカイループスパーティー)を月に1回くらいのペースで開催しています。
翠さんも常連ですよね。いつもありがとう(笑)
盛り上がってくれていまして嬉しいよね」

───すごく盛り上がってるよね! 始めたきっかけって何だったの?
あんまりディーラーさんでもこういう企画って多くないイメージだけど 

「最初はドールオーナーさん同士の交流の場を作りたいとの思いから交流会イベントを企画したのが始まりなの。そのタイミングで新型コロナが流行してしまってドール業界の危機を感じたんだよね。
以前は盛り上がっていた各団体のドールイベント(スカイループスもディーラーとして参加)にきてくださるお客様の数が激減して、お客様よりディーラーのほうが多いというような状況を目の当たりにして微力だけど、この素晴らしい文化を守りたいって思いました。
それに、なんとかドールオーナーさんたちに恩返しをしたいとの思いもあって、恩返しとしてこのドール界隈がオーナー様にとって楽しいと思える場所を作りたいと思って始めてコロナ渦が少し落ち着いてきた今後も続けていきたいと思っています」

───この記事を読んで参加したいと思ってくれた読者様にイベント情報をお願いします!  

「具体的にはドールオーナーさんが一つの会場で約20名くらいで一緒に交流したり情報交換をしたり撮影をしあったりと和気あいあいとした雰囲気です。
実績としては2023年3月時点で15回開催をしています。
基本的には東京をメインに開催していますが、
大阪や名古屋などでも開催したこともありますし今後も東京以外でも開催を予定していますよ!
初めての人もぜひ参加して頂いて交流のきっかけになってくだされば嬉しく思います」

───そんなイベントであった印象的な出来事ってありますか? 

「そうだね。やっぱり常連さんや初めての人同士でも同じ趣味を持つものとして距離が近くなって
このイベントを通してドールオーナー仲間が増えていくことを間近で感じられることかな」

───私も友達増えたよ!
最近、イベントでも海外ドールさん、中国製のドールも増えてきているよね?
ディーラー目線というかスカイループスさん目線でみると海外ドールさんってどうなの?

「日本製ドールとは雰囲気の違う可愛さがあるよね。日本のドールの歴史が始まって約30年
最近になって海外ドールの新しい世界観が増えていくことでこのドールの文化が広がっていくって感じてドールディーラーとして嬉しく思っているよ」

───私はラペオニアでTinyFoxさんのドールのレビューをしているけど
スカイループスさん的にはTinyFoxさんはどんな印象ですか 

「TinyFoxさんのドールさんの印象として素体はキャストドールに近く、メイクはアニメ系のデザインというのがスカイループスのお洋服との相性の良さをすごく感じています 
アニメメイク過ぎず、キャストドール過ぎないちょうどいい中間地点という着想が日本のドールには少ないし スカイループスとしても今後の洋服制作・展開について注目している部分でもあります」

───今後の展開?

「スカイループスとして現在の活動
(ドール向け洋服の制作・販売・イベント出店・参加型イベント運営)はもちろん

実はね……

TinyFoxさん向けのお洋服の制作(1/4サイズ・1/6サイズ)と新ブランドの立ち上げを考えています!!」

───おぉ〜!! 

「まだ内緒ねっ(笑)」

───いやいやこれ記事だから(笑) 
色々とドール業界について考えていることと思うけど今後どうなっていくかな 
コロナ渦もすこし落ち着いてきたけども 

「去年あたりから海外ドール勢(メーカー・ドール本体・お洋服)の勢いが増していると感じているのは事実で、お洋服ディーラーとしても今までの流行に囚われず新しいファッションを取り入れた世界観を出していきたいと考えているよ」

───広がっていくのは良いことだよね

「うん。色んなところからどんどん新しい世界観が生まれていくと思うし、このドール世界を楽しんでいけたらいいなと思っています。一番は楽しむってことだよね」

 ───スカイループスさんからまだドールの世界を知らない読者様へ
これがドールの魅力だよっていうのをぜひ教えてください

「年齢も性別も関係なく人それぞれの個性が尊重されるのがドールの世界だと思っています。
楽しみ方が本当に多種多様な世界です。
お部屋で見て愛でる楽しみから外に飛び出して風景と撮影を楽しんだり、イベントを通して自己を表現するコミュニケーションツールとしての側面もあります。
たくさんのスタイルがあることがこのドールの世界の魅力だと思っているので
ぜひこの世界に飛び込んできてほしいなとおもいます」

───私のように旅をしながら撮影をするのも一つの例で
本当に色んな楽しみ方があるからその楽しみ方を見つけるのも楽しいかもしれませんね! 
最後にラペオニア読者に向けて、一言、どうぞっ!

「オーナーさま一人一人が主役の世界です!
皆様と一緒にドールの輪を広げていけたら幸せです。
ドールの文化を一緒に楽しみましょう!!」


ご覧頂きありがとうございました。
本インタビュー記事が皆様のドールライフの彩りになれば幸いです。
また、ドールの世界をまだ知らない読者の皆様、興味はあるけど、どんな世界なんだろう
と疑問に思っている読者様にとってドール世界の扉をすこし開けてみようかな、、、
そんな入口になれていれば幸いです。
それではまたお目にかかれることを願って


■ライタープロフィール
ニックネーム:翠
出身地:日本・東京都
Twitter : @suisuidoll

自己紹介:
ドールと旅をして詩を書きます
“人”との繋がりを”形”にする=人形
といった気持ちを大切に、言葉を綴ります


TinyFoxの最新商品は「LA PEONIERオンラインショップ」にて好評発売中! 商品を気に入っていただましたら是非購入をご検討くださいませ!
TinyFox 見習いシスター アシュリー 1/4スケールMJDドール フルセット
TinyFox 全知の占星術師 ビビエンヌ 1/4スケールMJDドール フルセット
TinyFox カボチャ魔法使い リリス 1/6スケールMJDドール フルセット


関連記事:BJDドール業界に革新を起こしたい!中国BJDメーカーTinyFoxに取材インタビュー!